ブルースハーピスト復活!

 今夜、ようやくブルースのハーモニカ吹きとしてペルージャでの初舞台を踏むことが出来た。見失いかけていた自分をまた少し取り戻すことが出来た。
 下宿のそばにあるバール(BAR:日本の大きな駅前に大概ある西洋風のドトールなどのコーヒー屋に居酒屋の機能を足したもの。イタリアの男たちの堪り場。)で週に何度かライブがある。
 日本と中国で学生をしていた頃、いつも夜になるとどこかで酔っ払いながらギターを弾くかハーモニカを吹くかして遊んでいた僕はペルージャに来てからどこか遊ばせてくれるライブカフェを見つけられないことにとてもがっかりしていた。演奏することで自分の魂をさらけ出す気持ち良さは、カラオケなどとは比べ物にならないくらい素敵なものだからだ。
 今夜、バールでブルースのライブがあると聞いた時、じっとしてはいられなかった。今夜の機会を逃したら、次に自分の音楽を演奏する機会はしばらくなかろうし、今夜こそ見失い欠けている自分を思い出すためのラストチャンスに思えたから。Tonight is the night!
 勇気を出してよかった、二人組みのイタリアン・ブルースギターコンビは快く参加を認めてくれ、都合一時間以上ハーモニカを吹きまくった。やっぱええわ、音楽って。
 ペルージャで一番のアジア人ブルースハーピストになったる。  

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